まきあっと先生「スランプから抜け出すカジュアル風イラスト秘訣ノート(以下まきあっと と呼ぶ、敬称略)」全100講 49時間 12分を受講した感想と良かったこと・イマイチだったことを描いてレビューとして総括する。
私は2021年の9月に本格的にイラスト勉強を始めたお絵描き5年目である。最初はyoutubeでお絵かき入門講座の動画を漁り、パルミーで1ヶ月受講、そこから教本を読み漁り、主にダテナオト先生の『解体新書』や『90日画力向上講座』を進めた後、再びパルミー1ヶ月で砂糖ふくろう先生のジェスチャードローイングをやっていた。それから、colosoでソジ1→ソンム1→Mark.J→ラッキ1→まきあっと の順番で受講した。今回は5つ目の講座となる。そのような奴が受講を終えてレビューしている、ということを念頭に置いて読み進めて欲しい。
また僭越ながらレビューさせていただくにあたって、最初に注意点を申し上げたい。この講座のレビューについてであるが、良いところ・悪いところを含めた感想を正直に書かせてもらう。なぜか?自腹で受講したからだ。このレビューは案件記事でもなければ、アフィリエイト記事でもない。私のブログを読んで皆さんが講座を買ったとしても私には1円も入らない。それでも「何をお前偉そうにレビューなんかして」という声が飛んできそうであるが、安くない金をきちんと払って最後まで受講した者としてレビューする権利くらいはあるだろうと申し上げておく。そもそもここは私のブログなのだ。自分のブログでの自分語りくらいは許してほしい。
結論から書くと、この講座は「独学で絵を描いていて、理論的な内容をきちんと学びたい人」に向いているといえる。何故ならこの講座は顔、人体、ポーズ、色、影、光、素材、構図、遠近法、パースなど幅広い学習範囲があり、それら全てが学校で習うであろう教科書的な座学だからだ。もっと言えば専門学校の簡単な圧縮講義だ。美大や専門学校に行った人からすれば改めてそれを学ぶ意味は薄いし、好きな絵柄の人のメイキング解説講義を買った方がよほど有意義だろう。かく言う私はコロナ禍でお絵描きを初めた人間で、美大や専門学校にも通ったこともない。独学でYouTubeやパルミー、そしてcolosoで勉強して絵の描き方を学んでいる最中の一人だ。そして独学で勉強していると、どうしても学ぶ範囲に偏りというものが生じる。それが独学の最大の欠点であり、独学で学ぶ以上は避けて通れない問題でもある。この点、まきあっと先生の講義はイラストにおける必須の知識論点を圧縮した講義であり、受講すれば教科書的な内容を一通りカバー出来る(解剖学を除く)。それこそが本講座の最大の受講する意義であり、このような理由から独学でイラストを勉強していて知識論点の網羅性を重視したいという人にオススメの講座といえる。言い換えるとメイキング映像がほとんど無い。まきあっと先生のイラストが好きで、その観点だけで講座を買うと期待外れになってしまうだろう。
実際受講してみて驚いたのが、自分の知識が偏っていることが嫌と言うほど自覚させられたことだ。例えば、私は立方体や円柱などは描いてこなかった。一方で美大などの道に進む人はたくさん立方体や円柱の練習をするだろう。この講座をきっかけとして立体感の無さに気付かされたことによって立方体の練習をするようになった。また、まきあっと先生も辞書引き的な使い方を推奨していた。分からない箇所があったら見ていくという受講の仕方で構わないという風に言っていたが、その発言からも網羅性を意識した、理論の講座であることが分かるだろう。
例によって良かった点3つ、イマイチだった点3つ。
良かった点から述べる。まず1つ目は収録時間が受講しやすかった点。全部で100講義(100章)あるが、その全てが入念に下準備されて収録されている。更に画面内スライドもしっかり準備されており、テンポよく進むので1章にかける時間が30分ー40分程度だ。この絶妙な時間が受講しやすかった。今日はcoloso受講するか〜と思い立っても時間が長いと億劫になってしまうし、途中でやめてまた再開する…ということもあるだろう。その点まきあっと先生の講義時間は長すぎず短すぎずなのでとても受講しやすかった。
2つ目。配布資料がしっかりしていたこと。まきあっと先生の講義は1章毎に配布資料に要点がまとめられている。最初と最後だけ例外だが、その時の講義資料を見返すと講座の復習にもなり、例えば前回の資料を見ながら復習した後に次の講義に進む…というような使い方が出来た。他の先生の講義では章によっては配布資料がなかったりすることはよくあったので、この点を強調しておきたい。私が今まで受講してきた先生方の中で一番資料がしっかりしていたのはまきあっと先生だ。
3つ目。理論の説明が上手な点。日本人にありがちな「目で見て盗め!」ではなく「〇〇なので〇〇になりますよね」という具合に講義が進む。そして驚くべきはほぼ全ての章が理詰めの講座なのだ。個人的に一番参考になったのはsection4の色編。自分の色の知識がいかに無いか、感覚だけでやっていたかを自覚させられた。これも独学で学んでいる人には多いのではないだろうか?専門学校や美大なら講師に直接教えてもらえるので正直羨ましくもあるが、この講座を受けて理論からのアプローチが積極的にできたのは大きいと言える。
反対にイマイチだったこと。まず1つ目はアウトプットを自主的にしなければならない点。理詰めが基本なので、そこを前提としてそれぞれの練習にあてなければならない。まきあっと先生も言っていたが理詰め→感覚のアウトプット→理詰め→感覚のアウトプットという風に繰り返していくと良いそうだ。映像講義全体のデメリットでもあるのだが、宿題が与えられないし直接講師とやり取りできないので自分でやっていかなければならない。私の場合section4色がとても参考になったと述べたが、しかしそれを前提としてどのようにやっていけばよいのか?といったらまきあっと先生はそこまでヒントをくれない(当然と言えば当然だ)。仕方のない一面もあるかもしれないがデメリットとして記載しておきたい。私自身、全然アウトプット練習できていないので、この講座を終えて暫くはアウトプットに重点を置きたい。
2つ目。かなり早口な点。1章を30分ー40分にまとめるために、まきあっと先生はかなり早口で講義を進める。人によっては0.9倍速や0.8倍速でちょうどいいかもしれない。それくらい早口でパパパっと進んでしまうので、気を抜くと10秒巻き戻して再生…ということはよくある。映像講義なので何度も見返せるので問題はないが、ひょっとしたらそこを見越して収録しているのだろうか?しかしこれも仕方ない一面でもある。網羅性を重視するために、そして時間を短縮するために早口になるのはしょうがない。私の場合は何度も途中で止めて巻き戻し…という結果になってしまった。
3つ目。マウスカーソルが小さかった点。これは受講するそれぞれの環境によるかもしれない。まきあっと先生は常に画面全体を映しているのでマウスカーソルがかなり小さい。画面を、そして字幕を見ていてあれ?カーソルどこ?どの箇所を指しているの?ということはよくあった。受講するならモニター全画面で再生することを勧める。私はブログに書いたりしながらやっていたので1つのウインドウを小さくせざるをえなかったが、もう少しカーソル大きくしてくれたらいいのになぁという気持ちが常にあった。しかしこれもぶっちゃけ言いがかりに近い。でかいモニターで再生したりすると違うんだろうなという気もする。
以上が良かったこと・イマイチだったことだ。
この講座は「中級」となっているが、まぁ初心者の人には向かないだろうな、という感はある。まきあっと先生は厳しいことも言うし、初心者の方は理論からのアプローチが必要になった段階で受講すればよいだろう。ラッキ先生のときにも書いたが最初はとにかく楽しまないと、絵を描く行為なんて続かない。辿る過程は人それぞれだが、自分の成長に限界を感じたときにまきあっと先生の講義は灯台のように光を指し示してくれる。総じてオススメできる講座だが、専門学校で習う教科書的な内容が多いのでじっくり腰を据えて受講することを勧めたい。短期間で焦って終わらせようとしても理論づくしで溺れる結果になるだろう。
以上でまきあっと先生「スランプから抜け出すカジュアル風イラスト秘訣ノート」のレビューを終えたい。
2025年9月20日 記述
2025年10月3日 修正
そしてありがたいことにラッキ先生の吹き替え講座が実装された。色々考えたが、まきあっと先生の次は復習も兼ねてラッキ1の2周目に進むことにする。あとはラッキ2のパースマスター編もいよいよ…という気持ちになってきた。2025年はラッキ先生で始まりラッキ先生で終わる年になりそうだ。
ソジ2やチャン1、2、ソンム2,3、ロホ1,2も積んでるし受講したい。…しかし時間が足りない!最近だとらんふ先生の絵柄とかすごい好きなので講座も欲しいのだが、積み講座増えすぎて大変になりつつあるので、既存の講座を頑張って消化するように努める。更に去年のペイバックキャンペーンでYANAMi先生とRyu.先生買ってしまって積んでいるので暫く講座は買いたくない(買っても消化できない)のだが、お得なセールが来てしまうとグラついてしまう自分がいる。
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