※この記事は、2018年に書いた記事を書き直したものです。
※あくまでも個人的なメモ(備忘録)です。
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劣勢調整って何?
一言で言えば劣勢調整とは「基地航空隊で劣勢を取ること」です。ここでは6-5ラスダン編成を例に挙げて制空計算機B改を使いながら考えることにします。これは有志の方作成してくれた、簡単なシュミレーションツールです。
基地航空隊について考えます。「基地航空隊で劣勢をとる」ですから基地航空隊の制空値が敵編成の制空値の1/3以上2/3未満に調整することを意味します。6-5ラスダンでは、相手方の制空値が312ですから、その1/3以上2/3未満にすればいいので104以上208未満にします。基地航空隊を劣勢に調整するから「劣勢」調整です。その上で開幕航空戦で「優勢」や「均衡」を取ります。そしてこれを「基地航空隊で均衡を取ること」とすれば、それは均衡調整を意味します。
なぜ基地航空隊を劣勢(又は均衡)で調整するのかというと、いくつかのメリットがあるからです。
劣勢調整のメリットその1
一つは撃墜率調整です。撃墜率とは、基地航空隊が敵艦隊の制空値をどれだけ削ってくれるかの割合のことです。開幕航空戦をイメージしてほしいのですが、敵艦隊に空母がいた場合、自軍の艦隊と開幕航空戦がされます。そこで敵艦隊の制空値と、自艦隊の制空値を比較して「喪失」「劣勢」「均衡」「優勢」「確保」の5段階判定がなされます(その意味については割愛します)。基地航空隊を送り込んだ場合も同じで、基地航空隊と敵艦隊が交戦した際にも、表示はされませんが、その5段階判定がされています。その5段階の結果に応じて、基地航空隊が敵艦隊の制空値を削ってくれるのです。どれくらい削ってくれるのかというと、喪失の場合だと0%から10%、劣勢の場合だと0%から40%、均衡の場合だと0%から60%、優勢の場合だと0%から80%、確保の場合だと0%から100%の割合で削ってくれます。そうです。ランダムです。基地航空隊の戦力に応じて敵艦隊の制空値を削ってくれるのではなく、5段階の判定に則って決められたサイコロを振り、そのサイコロの出目に応じて撃墜の割合が決まります。それぞれのサイコロの目が出る確率は同様に確からしいとします。
簡単な例を考えます。例えば6-5ボスマスに基地航空隊を、第一「均衡」、第二「劣勢」でそれぞれ集中して飛ばした場合です。まず第一は「均衡」ですから0%から60%までの目が書かれたサイコロを2回振ります。そして第二は「劣勢」ですから0%から40%までの目が書かれたサイコロを2回振ります。その出目に応じて敵艦隊の制空値を削ってくれるのです。
極端な話、基地航空隊で敵艦隊に対して「確保」を取ったとしても、引いた乱数の出目が悪ければ(確保で乱数0%)、「喪失」で良い乱数(10%)を引いた場合よりも敵艦隊の制空値を削ってくれません。
そうは言っても確率なので、その大体が中央値に落ち着きます。「劣勢」の場合は20%、「均衡」の場合は30%、「優勢」の場合は40%、「確保」の場合は50%の割合で敵艦隊の制空値を削ってくれる場合が通常です。しかしながら、基地航空隊で「優勢」や「確保」をとるのは相当難しい(というか無理な)場合がほとんどです。ましてやイベント最深部となるともすれば尚更です。そうなると、「確保」や「優勢」を目指すよりも、それと撃墜率がさほど変わらない「均衡」や「劣勢」でも良くないだろうか、という話になるのです。
劣勢調整のメリットその2
メリットの二つ目として、陸攻を多く積むことができるというのがあります。「優勢」や「確保」を目指すならば、基地航空隊には陸戦をガン積みしなければなりませんが、「劣勢」以上となれば話は楽で、基地航空隊に余裕が生じてきます。そしてその余った部分に陸攻を積んでいいのでは?となるのです。すなわち「均衡」や「優勢」を取るよりも「劣勢」のほうが陸攻を多く配備できるという利点があります。
例えば、基地航空隊に陸戦x2陸攻x2をそれぞれ配備して、第一、第二共に「均衡」調整をした場合を考えます。この場合、それぞれ0%から60%の目が書かれたサイコロを振ることになり、その出目に応じて敵の制空値を削ってくれることになります。今回はすべて20%という目が出たと想定します。すると自艦隊と敵艦隊が交戦する際の敵制空値は211ということになります。(※艦これ1期のデータを使っているため、敵艦隊の制空値が318で計算されています。また、基地航空隊の計算のみをしているため、自艦隊の制空値は一切考えていません。)
次に、基地航空隊を陸戦x1,陸攻x3にして第一、第二共に「劣勢」調整をした場合を考えます。この場合、それぞれ0%から40%の目が書かれたサイコロを振ることになります。今回はすべて20%の目が出た場合を想定します。
当たり前ですが、結果は同じです。基地航空隊が敵艦隊に対して「劣勢」でも、それぞれが20%の割合で敵艦隊の制空値を削ってくれましたから、そのような場合には、自艦隊と敵艦隊が交戦する段階では、敵艦隊の制空値が211となります。
さて、均衡調整で削った211と、劣勢調整で削った211とどちらが良いでしょうか。答えは後者です。なぜでしょうか。前者は陸攻x2で攻撃を行いますが、後者は陸攻x3で敵に攻撃が出来ます。火力が違います。実際に6-5ボスと戦ってみると、第一、第二共に均衡調整では平均で3,4隻倒してくれる印象ですが、第一、第二共に劣勢調整では平均で4,5隻倒してくれる場合が多いです。うまく行けば6隻以上倒してくれます。
まとめ
敵撃墜率という乱数の振れ幅と、攻撃手段である陸攻の配備。この2つを考慮すると、基地航空隊で劣勢に持っていき、その分陸攻を多く配備して攻撃手段を増やすのがベターではないかと考えられました。この制空値にするために、基地航空隊の編成を劣勢で調整するのです。もちろん均衡でも優勢でも良いのですが、均衡や優勢に持っていくためのコストパフォーマンスを考えると、撃墜率が20%あたりに落ち着く劣勢で充分だよね、となっているのが大多数の見方のようです。基地航空隊で劣勢をとり、開幕航空戦に繋げる。これが劣勢調整です。
一方均衡調整のメリットとしては、劣勢調整以上の撃墜率が得られる可能性が高くなり、航空優勢以上が取りやすくなることです。反対にデメリットとしては、陸攻を配備できる余裕が少なくなることが考えられます。このように、基地航空隊を使う際には、敵艦隊の航空戦力と自艦隊の航空戦力を比較して、劣勢調整で行くのか均衡調整で行くのかを決める必要があるのです。