ここ数ヶ月はいろいろなことがありすぎて正直つかれました。半分ヤケになっていたというのもありますが、気晴らしに自作PCを作ったので、ブログとして残しておくことにします。
かねてより作ってみたかった自作PC、通称「自作パソコン」なんて呼ばれてもいますが、ここ数年で僕自身の興味がそちらの分野に移ったというのもあって、今回は自作PCを作りましたという内容です。
このブログを書いているのは2019年11月ですが、最近ではCPUやグラボの高性能化に伴ってか、排熱の問題が顕著になっているという印象を受けます。そのため、今までは空気で冷やす「空冷」が主流でしたが、最近では水で冷やす「水冷」という言葉が徐々に浸透してきました。自分自身の理解を深めるためにも、また、興味がもともとあったというのもあり、今回の自作PCは「水冷」で、しかもポンプやラジエーターを自分で選び、組み立てるという本格水冷に挑戦しました。
本格水冷とは読んで字の如く、本格的な水冷です。水冷には「簡易水冷」と「本格水冷」の二種類があります。前者は、予め水冷のシステムが組み立てられたものがパーツとして売られており、それを購入して自分でとりつけるもの――つまり簡易的な水冷のことです。一方で後者は、水冷の機構を自分で構築することを言います。ポンプ、ラジエーター、チューブ、冷却液等を自分で選別して、組み立てます。多彩なカスタマイズができ、自分好みの冷却機構を組み立てられることがメリットですが、一方で、予算が嵩む、時間がかかる、手間がかかる、骨が折れるetc….デメリットもあります。ぶっちゃけいってしまえば、本格水冷は趣味の領域なので、傍から見れば「あんなのやらなくてもいいのに」なんて思えてしまうかもしれません。しかし、完成したときの達成感には、言葉で言い表せないものがあります。
僕が本格水冷を作ろうと思ったのは、たまたまネットサーフィンで見つけた、本格水冷の自作PCの写真がきっかけでした。それまで自作PCの世界を知らなかった僕は、側面がガラスでできており、色とりどりに光るLEDと、その間を流れているカラフルな冷却液を使った、「魅せるPC」に驚きました。パソコンといったら地味で、机の端っこか下に置くものという認識がありました。しかし、インテリアの一部として組み込み、視覚的にも楽しむことができて、自分で、自分好みの性能と見た目を追求することができる自作パソコンの世界は、僕のパソコンに対する認識をガラリと変えました。そして、さらに冷却機構をさえも自分で構築できてしまう本格水冷の世界に、気がつけば、僕は魅了されていたのです。このような理由により、初めての自作パソコンながら、本格水冷の自作PCを作ったわけなのですが、パーツの選別から組み立てに至るまで四苦八苦しながら完成まで3ヶ月かかってしまいました。その過程を、ブログとして残しておくことにします。
前置きが長くなりましたが、今回はパーツの選別についてです。
とにかく僕は、性能を追求するよりも、視覚的にも楽しむことができるPCを作りたかったのです。そのため、最近ではトレンドとなっている「LEDファン」を使いつつ、側面がガラス張りの、中身がきれいに見えるPCケースが必要でした。
といっても性能が低かったら意味がありません。Youtubeを4Kで見たりとか、ちょっとしたオンラインゲームを楽しんだりする性能は必要です。そのため、僕が作る自作PCのコンセプトは、見た目重視の(つまりLEDファンや本格水冷での)性能がそこそこ高い(ミドルクラス)の自作PCです。
自作PCを作ろう、と思い立ってから1ヶ月近くこのコンセプトが明確に定まらなかったのですが、色々と調べながらパーツの選別が終わりました。
ざっくり書きますと、今回選別したパーツは
- CPU AMD Ryzen7 3700X
- GPU GIGABYTE Geforce GTX 1660Ti
- マザボ ASRock X570 AQUA
- 電源 Corsair HX750i 80PLUS PLATINUM 750W
- メモリ Corsair DDR4-2666MHZ VENGENANCE RGB 8gb x4枚(32gb)
- SSD Intel sSSD 760p M.2 PCIEx4 256gb
- HDD Seagate BarraCuda 3.5″ 2tb
- ケース Corsair Carbide 678C
です。最近になって発売されたRyzen7 3700Xを筆頭に、(編集とか4Kゲームとかは除いて)イライラする事がない性能を追求しました。あとは、省電力を意識しつつ、大体350W~400Wを目標にしています。従って、それより2倍の容量で(丁度2倍の容量あたりが最も効率がいいらしいので)、750Wにしました。
ASRock AMD Ryzen 3000シリーズ CPU(Soket AM4)対応 X570チップセット搭載 水冷対応 ハイエンド E-ATX マザーボード X570 AQUA
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マザボの選別には特に時間がかかりました。もともとは30,000円前後のマザーボード探していたのですが、丁度僕が悩んでいるタイミングで、ASRockから全世界999枚の限定グラボ(しかも本格水冷モデル)が発売されるということを知り、それにするべきか、あるいは当初の予算通りで行くのか非常に悩んだからです。結局は前者になるのですが、この限定グラボのお値段が非常にロマン溢れる物となっており、なかなか踏ん切りがつかずにいました。しかし、結局見た目を追求して「魅せるPC」を作ろうというコンセプトに定まったことで、今回思い切ってASRock X570 AQUAを購入しました。
このマザボの最大のメリットは、CPU、VRAM(CPUに電源供給するためのところ)、チップセット(マザボの脳みそみたいな部分)の三箇所を冷やせるところです。本格水冷といっても、実はマザボのVRAMやチップセットが冷やせる製品というのは殆どありません。理由としては、マザボの作り方がメーカーごとに異なるからです。大体は決まっているのですが、メーカーによって微妙に位置が異なったりするので、サードパーティで本格水冷のパーツが出せないんですよね。従って、今回のように、マザボのメーカーが意図して作らないと、その部分が本格水冷で冷やせないという実情になっています。これから先、このX570 AQUAを皮切りとして、各種メーカーが本格水冷のモデルを出してくれると嬉しいのですが、はたしてどうなるでしょうか…..。
色々と書きましたが、正直に書いてしまえば、僕がこのマザボを選んだ理由は、本格水冷に対応していたマザーボードがこれしかなかったからです。マザボは普通のものにして、CPUの水枕やグラボの水枕で「魅せる」ことを当初は想定していたんですが、でも、こんなにかっこいい本格水冷に対応しているマザボが売られていることを知ってしまった以上、他の選択肢が色あせてしまいました。とにかく「魅せるPC」を作りたくて、そんな僕のコンセプトにガッチリとハマったのがASRock X570 AQUAだったのです。性能が高いマザボらしいですが、僕にとってマザボの性能はあまり関係ありませんでした。性能よりも見た目重視です。マザーボードを覆うシルバーの冷却装置がかっこよかった。それが購入の理由です。それくらい僕のハートを鷲掴みにしたマザーボードでした。
全世界999枚限定のマザーボードというのもあって、マザボ1枚1枚にはシリアルナンバーが刻印されているようです。僕のシリアルナンバーは944でした。
Tanksgivingカードには、「購入してくれてありがとう。このマザボは本格水冷に対応しているモデルで、この製品を使って楽しんでくれ!」のようなことが書いてあります。
AMD Ryzen 7 3700X with Wraith Prism cooler 3.6GHz 8コア / 16スレッド 36MB 65W【国内正規代理店品】 100-100000071BOX
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マザボが決まったことで、CPUも自然に決まりました。X570チップセットに対応しているCPUはAMDしかないからです。Intel core i9シリーズや、Ryzen Threadripperにするかどうかも悩んだのですが、値段が高いことと、そんなに高性能なCPUを持ったとしても使う機会がほとんどないだろうということでやめました。動画編集をするわけでもなく、重いオンラインゲームをするわけでもありません。8コア16スレッドあれば当分の間、苦労しないだろうということで、最近になって発売されたRyzen7 3700Xにしました。TDP65Wで、値段が4万4千円前後と記憶していますが、まぁ無難な選択肢と思われます。
GIGABYTE NVIDIA GeForce GTX 1660Ti 搭載 グラフィックボード 6GB WINDFORCE 2X ファンモデル GV-N166TOC-6GD
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一方GPU(グラボ)もまた、結構悩みました。本格水冷にすることが決まった以上、グラボも本格水冷にするべきかどうかが選択肢としてあったからです。しかし、予算が膨れ上がることと、グラボを本格水冷にしてもマザボの見た目を遮ってしまうという2つの理由によりやめました。まず、第一の理由である予算についてですが、CPUやグラボに回す予算がマザボに流れてしまっていたので、極端に性能が高いCPUやGPUは使えません(あったとしても使う機会もありませんが)。従って、「そこそこ」性能が良ければあとは何でも良かったのですが、とにかくワットパフォーマンスが優秀なGeforce GTX1660tiを選択しました。価格が35,000円前後で、それでいてワットパフォーマンスが優秀です。決して性能が高いわけではありませんが、僕の用途には十分すぎる性能を有していました。予算をもう少し増やして、RTX 2060や RTX 2070sにするという選択肢もあったのですが、RTXの性能を使う機会がまず無いことや、その性能を使いこなす機会もおそらく当分の間、無いだろうということから見送りました。
次に第二の理由であるマザボの視界を遮ってしまうという問題です。グラボの選択肢として悩んだのが、ライザーケーブルを使って縦置きするかどうかです。自作PCでは、通常は横向きに設置してあるグラフィックボードをあえて縦向きに設置して、サイドパネルから見えるように取り付けることがあります。これは「見た目」を追求しているからこそ出てくる選択肢なのですが、GTX1660Tiを縦置きしてもあんまりかっこよくなくてやめました。LED搭載のグラボや、性能が極めて高いグラボであれば縦置きして存在感が醸し出せるのですが、今回のメインはあくまでもX570 Aqua(マザボ)なので、その視界をなるたけ遮らないように、横向きに設置することにしました。もし、グラボを今後縦置きするのならば、グラボをRTX2070s等にしたあとで「水枕」をつけて本格水冷機構に組み入れたときにします。(需要が無いためか、GTX 1660Tiの水枕はありませんでした。かなしい…)
このような理由により、グラボはGeforce GTX 1660Tiとなったのです。
Corsair Carbide 678C Tempered Glass -White- ミドルタワー型PCケース CS7553 CC-9011170-WW
- 出版社/メーカー: Corsair
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ケース選びも結構悩みました。今まで使っていたPCのケースがマイクロタワー型だったのですが、今回はそれよりも大きいミドルタワー型のPCケースを選びました。自作PCでは黒色がメインとなっている中、サイドパネルの枠が黒で、内側が白色となっているコルセアの678Cにしました。
Corsair HX750i 80PLUS PLATINUM 750W PC 電源ユニット PS546 CP-9020072-JP
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電源は適当です。ケースがコルセアなので、電源もコルセアで統一しようということで、コルセアの電源にしました(しかしケースのサイドパネルからは電源は見えないのであまり意味がないかもしれません)。長く使うことを考えて80PLUS PLATINUMのやつにしました。
CORSAIR DDR4-2666MHz デスクトップPC用 メモリモジュール VENGEANCE RGB PRO シリーズ 16GB [8GB×2枚] CMW16GX4M2A2666C16W
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- 発売日: 2018/07/01
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メモリもコルセアで統一、RGBのLEDを搭載した8gbを四枚です。16gbを四枚(64gb)でも良かったのですが、まぁそんな性能使わないのでいいかな、と。
Intel SSD 760p M.2 PCIEx4 256GBモデル SSDPEKKW256G8XT
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Seagate BarraCuda 3.5″ 2TB 内蔵ハードディスク HDD 2年保証 6Gb/s 256MB 7200rpm 正規代理店品 ST2000DM008
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SSDとHDDについては特にこだわりはありません。一つだけやりたかったのは、M.2SSDであるということ。とにかく高速で起動が早いということから、ここにOSをぶちこみたかったんです。今までHDDでwindowsを使ってきましたが、起動に1分以上かかるのは当たり前でしたし、起動してから安定するまでにも更に時間がかかりました。今までの時代はそれで十分だったのですが、最近はスマホの登場やタブレットの登場で起動の早さがPCにも求められるようになってきています。僕自身もそういった起動の早さにイライラしてしまうようになっていたため、M.2SSDにwindowsを入れたいという理由がありました。逆に言えば、それさえクリアしてしまえば、メーカーは問わず、値段と評判で決めた感じです。最終的にM.2SSDはインテル256gbに、HDDはシーゲート・テクノロジーの2TBにしました。
さて、今回はパーツの選別、およびその理由を書きましたが、次回は本格水冷についての話、もとい僕のコンセプト等について書きます。それでは。