【Coloso練習帳】らんふ先生の講座を終えて

らんふ先生「色塗り×構図で印象づけるキャラクター描画術(以下らんふ と呼ぶ、敬称略)」全24講 27時間 23分を受講した感想と良かったこと・イマイチだったことを描いてレビューとして総括する。

私は2021年の9月に本格的にイラスト勉強を始めたお絵描き5年目である。最初はyoutubeでお絵かき入門講座の動画を漁り、パルミーで1ヶ月受講、そこから教本を読み漁り、主にダテナオト先生の『解体新書』や『90日画力向上講座』を進めた後、再びパルミー1ヶ月で砂糖ふくろう先生のジェスチャードローイングをやっていた。それから、colosoでソジ1→ソンム1→Mark.J→ラッキ1→まきあっと→らんふ の順番で受講した。今回は6つ目の講座となる。そのような奴が受講を終えてレビューしている、ということを念頭に置いて読み進めて欲しい。

また僭越ながらレビューさせていただくにあたって、最初に注意点を申し上げたい。この講座のレビューについてであるが、良いところ・悪いところを含めた感想を正直に書かせてもらう。なぜか?自腹で受講したからだ。このレビューは案件記事でもなければ、アフィリエイト記事でもない。私のブログを読んで皆さんが講座を買ったとしても私には1円も入らない。それでも「何をお前偉そうにレビューなんかして」という声が飛んできそうであるが、安くない金をきちんと払って最後まで受講した者としてレビューする権利くらいはあるだろうと申し上げておく。そもそもここは私のブログなのだ。自分のブログでの自分語りくらいは許してほしい。


結論から書くと、らんふ先生の絵柄が好きな人は買って損はない講座だ。らんふ先生は最初から最後まで丁寧な解説をしてくれている。無言で描いている箇所はほとんどない。後述するがメイキング部分がとても良い内容になっている。講座用の販売ページを見て気になっている人がいるならばセールなどの安いタイミングを狙ってみてもいいのではないか。

さて、どんな講座にも良いところと悪いところが必ずある。私はレビューするにあたり大事にしているところは、良かったこと・悪かったことを自分なりの目線でしっかり書くということだ。良かったことだけ書いて悪かったことを書いていないレビューは個人的に全く信用できない。きちんと受講していれば、必ず大なり小なり気になる点が生じてくるからだ。良かったこと3つ。悪かったことを3つ書く。

良かった点から、まず1つ目は時間配分の比率。いわゆる「技法」――考え方・技術的解説に39%、メイキングの時間に61%の時間配分がされている。つまり技法:メイキング=4:6の時間比率となる。大半にメイキングの時間を取ってくれているのは好感度が高い。講師の中にはメイキングを売りにしている講座にも関わらず、技法に時間を割きすぎてメイキングの解説がおざなりになっていたりするものも散見される。自分の絵柄やメイキング映像を売りにしているのならそこにしっかり時間を割くべきで、らんふ先生の講座は時間配分がしっかりされている点が良かった。

2つ目、section6とsection7が良かったこと。メイキングの解説だが、アニメ塗りと厚塗り、両者の違いを解説してそれぞれのイラストを1枚ずつ最初から最後まで持っていってるところか分かりやすい。講座のために描き下ろしてくれたオリジナルのイラストの全てのプロセスが解説付きで見られるのは感謝しかない。全ての過程を端折らずに当速で録画してくれている。塗りの解説を聞いてしっかり実践すれば、それぞれ得られるものはあるはずだ。

3つ目、喋りが丁寧で落ち着いていたこと。らんふ先生自身もしっかりした声で聞き取りやすかった。教え方も上手いし丁寧だ。例えば韓国語の講座だと何を言っているか聞いただけでは分からないので講師の話し方などはあまり気にならないのだが、日本語だと耳からも情報が入ってくるので講師の話し方などの要素も大事になってくる。その点らんふ先生の話し方は落ち着いていて最初から最後まで聞くことができた。「ここではこのようなことを意識しています」「さり気なくハイライトをいれます」のように一つ一つメイキングを丁寧に解説してくれているのではぁ~そうなってんのね、と学びが多かった。(多少、横槍な雑談は入ることもあったが気にならない程度)

一方でイマイチだったこと。

まず1つ目は30分分割。例えばラッキ先生の講座では1時間のパートや2時間のパートがあるが、最近の講座だと30分で強制的に分割されている。らんふ先生の講座ももれなく30分分割の洗礼を受けており、section7の3時間半の塗りだと30分×7回に分かれている。はっきり言うが、受講しにくいし不便極まりない。例えば10分前に戻りたいのに分割されたせいで前の動画に戻らなければならなかったりする。30分分割の方が時間管理が楽だという意見もあるがそんなことはない。それはまきあっと先生のように30分前後できっちり整理されている場合に限っての話で、1時間や2時間あるメイキングの解説を分割されてもただただ見づらいだけだ。ただしこれはcoloso側の問題でらんふ先生の講座の問題ではない。

2つ目。section4の技法パートが弱かったこと。section4のchapter8で同じイラストをアニメ塗りと厚塗りで塗っていく(解説する)回があるが、それぞれの下絵を順番に塗っていきその違いを解説、というわけではなく既に予め厚塗りで完成された物をアニメ塗りに変更していく……という特殊なやり方だった。正直見ている側としてはやや見づらかった。視聴者の中にはアニメ塗りと厚塗りの違いが全然分かっていない人もいるだろうし、そこはらんふ先生が下絵として下塗りまで済ませた全く同じpsdを用意しておき、視聴者と一緒にアニメ塗り、厚塗り、という感じで塗っていければ更に良いものになったのではないか。あとは光の設定が逆光なのは難しい。アニメ塗りと厚塗りの違いがテーマなんだから、順光のシンプルな光源の方が伝わるのでは?と疑問だった。一応psdはあるにしても技法の解説にしてはレイヤー構成が複雑だし、講座用にたくさんのイラストやデータを用意しているのにもかからずここだけ弱いのはもったいないな~という印象を受けた。

3つ目。chapter10の時間が短かったこと。らんふ先生は技法の解説の中で、この箇所が皆さんに一番伝えたいことです!と豪語している所がある。そこがchapter10なのだが、その時間が短すぎてあまり伝わってこなかったのが残念だった。これは私の大学のゼミの先生の教えであるが、自分の発表のなかでいちばん伝えたい箇所はいちばん時間をかけて丁寧に説明するべきなのだ。論文にしても発表にしてもいちばん伝えたいところに力を割くべきで、ここでいう「力を割く」というのは具体例をあげつつ文章や時間を多く費やすことを言う。なぜならそうしないと多くの視聴者に伝わらないからだ。chapter10は時間が22分と短く解説があっさりで、ここがらんふ先生の肝いりポイントなのだろうか?と疑問のまま終わってしまった。評価されるイラストには理論優先型とコンセプト優先型があり、それぞれの絵に対する向き合い方があることは分かったのだが、そこから更に一歩踏み込んで自分の過去の完成作品例を使った解説があっても良かったのではないか。例えばまきあっと先生のように過去の作品の解説や改善を実演して、この作品は理論優先型で描いて、この作品はコンセプトを優先しました、でも昔はこのように描いたけど今ならばこのように描きます、なぜならこのような理由で…ということもできたはずだ。すると視聴者に理論優先型とコンセプト優先型の違いが更に伝わる。一番伝えたいことならそこまで具体的に踏み込んで言及するべきだし、素体理論のほうが時間も割かれていて解説も丁寧だったのはもったいなかった。

以上が良かったこと・イマイチだったことだ。

注意点だが上述したイマイチな点は講座全体の足を引っ張っているほど残念なものではない。寧ろ最初の良い点3つが大部分を占めており、特にらんふ先生の丁寧なアニメ塗り解説と厚塗り解説が評価点が高い。この講座は初級から中級となっているが、2枚のアニメ塗り・厚塗りの解説がメインなので全身が一通り描けるようになっていると一緒に描いていけるので面白いだろう。らんふ先生の絵柄が好きで目指したいという人は受講を検討しても良いのではなかろうか。しかし当然だが受講しただけでらんふ先生のような絵柄になれるわけではない点に注意。寧ろらんふ先生のレベルの高さを見せつけられて私は少し心が折れそうになった。らんふ先生はサラサラ~と解説しながら描いているが、いやちょっと待って下さい早すぎます、と言いながら必死こいて付いていった。完成作品もらんふ先生はそれぞれ8時間くらいで仕上げているが、私は厚塗りのほうが倍の16時間もかかっており(受講しながらではなるが)倍の時間を使ってこの程度か…。と自分で自分に問い詰めたいくらい。それくらいたくさん学びがあった講座だった。

以上でらんふ先生「色塗り×構図で印象づけるキャラクター描画術」のレビューを終えたい。

2025年12月3日 記述

2025年12月4日 修正


レビューはここまで、以下反省点。まず厚塗り、全然できなかった。らんふ先生は影をごりごり塗っているがそれに続いていくことができなかった。結果としてアニメ塗りに近いものになってしまった。原因として面分けができていないこと。立体感の欠如や影の練習が足りていない。あとローアングルが苦手。らんふ先生はハイアングル・ローアングルを得意としており、メイキングでもハイアングル・ローアングルを描いているが後者は真似できなかった。立方体の練習をはじめ基礎力が足りていないと実感させられた。背景も適当でごまかしているのでなんとかしたい。無機物の表現が特に苦手なので無機物の表現ができるようになりたい。アウラ様の天秤とか、後ろの鎧とかナンジャモのコイルなどの機械な感じを更に表現できるようになりたい。しばらく厚塗りはしないでアニメ塗りで地道に面分けを意識していくようにしたい。

とりあえずラッキ1の2周目の続きから再開するが、次の候補としてラッキ先生2(パース)、Ryu.先生(背景講座)、ソンム先生3(線画)、HxxG先生(メイキング)、ロホ先生(背景)、牧田先生(メカ)あたりを検討中。最初はラッキ2に進む予定だったが、らんふ先生の講座が終わった今新たな課題が見えてきたので分からない。無機物に強くなりたいので牧田先生の講座を優先するかも。70%OFFセールのときに思わず買った講座の一つだ。

2025-12-03|
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