本格水冷の緊急メンテナンス・冷却液の交換②

メンテナンスが終わったので写真をば。

艦これのゲームをイメージして、テーマは「深海棲艦」です。フィギュア4体(敵キャラ)を配置して、グラボの補助電源コードの周りにはアクアリウム用の消波ブロックを置いています。この消波ブロックと、フィギュアの台座の青色、クーラントの青色で「深海」をイメージしました。

前回はクーラント液を抜いたところで終わりましたが、その後に新しいクーラント液を何にするのか、という問題がありました。透明のクーラントを使うのか、また色のついたものを使うのかという問題です。…結構悩んだのですが、今回は車用のラジエータークーラント「呉工業 スーパーロングライフクーラント 青」を使いました。車用のクーラントをPCに使うことについては賛否両論ありますが、なぜPC用の透明クーラントを使わずにこのクーラントを採用したかというと、理由は2つあります。

まず、PC用のクーラントとカー用品のクーラントは中身がそれほど変わらないことが理由にあります。クーラントの成分を各メーカーのホームページで調べてみれば分かりますが、両者ともに主成分はエチレングリコールです。同じなんですよね。まぁ、強いて言えばカー用品のクーラントの主成分はエチレングリコールで、PCの主成分はプロピレングリコールであることが多いという印象を受けますが….どちらも同じ冷却性能を有しており、防錆性があります。なので車用のクーラントもPC用クーラントも基本的には変わらないといえます。恐らくですが、PC用に主に採用されているプロピレングリコールのほうが、エチレングリコールよりも毒性が低いらしいので、万が一、液がこぼれたとしても安心じゃないかということでしょうね。車用のクーラント液がこぼれる場面は基本的には家の外で起こりうるでしょうけれども、PC用のクーラントがこぼれるとしたら基本的には家の中でしょうから、メンテナンス時の安全性を考慮してプロピレングリコールを採用しているのでしょうか?ただし毒性があるといっても、触ったりしてかぶれるとか、そんな危険な類のものではないので、口の中に入れさえしなければ大丈夫です。(恐らく小さい子供やペットが口にしてしまうようなシチュエーションを考えて、PC用にはプロピレングリコールを採用しているだけです)※あくまで素人判断です

もう一つの理由、実はこれが最大の理由ですが―――――車用クーラントのほうが値段が圧倒的に安いことです。PC用のクーラントはだいたい1リットルで3,000円前後で売られていますが、カー用品のクーラントはだいたい2Lで1,000円です。繰り返します。2Lで1,000円です。1Lじゃなくて2Lです。圧倒的に安いです。というか、逆にPC用のクーラントが高いだけかもしれません。僕は大学院まで経済学(会計学)を突き詰めていた人間なので、どうしてもそういう思考の癖があるのですが、要は需要と供給のバランスでモノの価格って決まるんですよね。自作PC,とりわけ本格水冷のユーザーなんてほとんどいませんし、そのような数少ないユーザーのためだけにPC専用のクーラントをメーカーが発売するということになると、需要が極端に少ないため、どうしても価格が高騰してしまうのは仕方のないことなんです。逆にカー用品としてのクーラントなんていうのは、365日、世界中から需要があるわけで、そうなるとメーカーも良いものを安く発売することができます。ですから、ほぼ同じような中身の冷却液でも「PC用」と「自動車用」と名目が変わるだけで価格が全く変わってきてしまうのは当然なんですよね。あとはひょっとしたら原価の違いがあるかもしれません。プロピレングリコールとエチレングリコールの原価の違いですね。ただ、車用にも使われているエチレングリコールを入れてPC用のクーラントとしてバカ高い値段で発売しているものもありますから、その点を考慮すれば、成分の違いというよりは、PC用のクーラント需要が極端に少ないからという理由で値段が高くなっていると考えられます。

以上、①中身がほとんど同じこと、②値段が圧倒的に安いこと、この2つの理由によって、今回はカー用品としてのクーラントを選択しました。もっとはっきり言ってしまえば、前回はPC用の高いクーラントを使ったにもかかわらず沈殿物が生じてきたせいで配管もつまりかけるというトラブルがありましたし、それでPC用のクーラントに対する信頼がなくなってしまったということもあって、今後PC用のクーラントを買うことはないでしょう。であれば車の用途以外にも幅広く使われている車用のクーラントで十分です。

色々と書きましたが、あくまで「個人的に」そういう結論に達しただけなので、参考程度にとどめておいてください。車用のクーラントを使ったらPCが壊れた、弁償しろ!と言われても責任は持てませんので悪しからず….まぁ、本格水冷なんてほぼ自己責任の世界ですから、まずそんなイチャモンつけてくるような人が本格水冷に手を出すとは思えないのですが。

話がそれましたが、クーラント液の色は青色にしました。理由は単純で、車用のクーラントでは赤色、青色、緑色の三種類しか選択肢になかったからです。先程も書きましたが、車用に透明のクーラントがない理由は、主成分のエチレングリコールが有毒であるため、水と間違って飲まないように色を付けている、ということです。(念の為もう一度書きますが有毒と言っても別に触ってかぶれたりとかはしません。口に入れさえしなければ害はないです。)そんなわけで、今回はコスパ重視で2Lで900円の呉工業のクーラント液をPC用として使います。

 

メンテ前のPC

クーラントを青色にしたことによって、コンセプトが徐々に固まってきました。メンテ前の写真を見ていただければ分かりますが、グラボの上に元々北方棲姫のフィギュアを置いて居たんですね。その「台座」の色と、新しいクーラントの色がたまたま同じ色ということに気が付きまして、このクーラントと台座で「海」を表現できたら面白いな、という風になりました。そこで同じ深海棲艦のフィギュアを複数配置して、それらを使って「深海棲艦」をテーマに自作PCを作りました。このようにして、冒頭の写真のようなPCが完成しました。これが自作PCの醍醐味といっても過言ではありませんが、自分で自分のPCを好きな風にカスタマイズでき、フィギュアや小物なんかも配置してオリジナルのPCを「作品」として作ることができます。これは自作PCでしかたどり着けない領域です。

 

専門的な話をします。前回と比べて、パーツの構成が若干変わっています。まず、ケース上面に240mmラジエーターを追加しました。前回書きましたが、 これは 間違って買ってしまったもので、返品は特にせず部屋のクローゼットの中で眠っていました。そのまま放置していたのですが、もったいないな―ということで、今回は新たに設置しています。

それから、ケース右側、360mmの三連ファンをRGB対応のコルセアLL120にしました。前回は白色にしか光らない白色オンリーのLEDのやつだったのですが、今回は海の雰囲気を演出するために、ファンの色を青色にしたくて、RGB対応のファンに変えました。

冷却液の流れはポンプ→ラジエーター240mm→マザボ・CPU・チップセット→360mmラジエーター→フィルター→ポンプという流れになっています。ぶっちゃけラジエーターは240mmか360mmどちらか片方があれば十分です。あったから使ったというだけですね。グラボについては空冷です。理由は単純で、1660Tiに対応する水枕がない(需要がない)からです。

それから、鋭い方は気が付かれたかもしれませんが、メモリの数が4枚から2枚に減っています。これはCPUグリスを交換するときにメモリを外したのですが、そのときに外したメモリの基盤にCPUグリスが付着してしまい(しかもシルバーグリス)、落ちなくなってしまったからです。エレクトロニッククリーナーで洗い流したのですが、それでもメモリ2枚が認識されなくなってしまいました。そのため、グリスで汚れてしまった2枚を装着せず、無事だった2枚のメモリを差し込んで動作させています。某物語シリーズのキャラクター風に言うと「今回の件から得るべき教訓としては、マザーボードからメモリを外したときはむき出しの基盤に何かが付着してしまわないように気をつけろということだ」です。これは完全に僕に落ち度がありました。 今は気力がありませんが、 グリスが付いて認識されなくなったメモリは、なんとか頑張って復活させます。

とりあえずはこれで完成です。若干ケースからの視線を感じるようになってしまったのですが…気のせいでしょうか?

 

最後に、CPUグリスの交換について書きたい…..のですが、これについては色々と書きたいことがありまして、そうすると記事が長くなってしまうので、次回に改めて書くことにします。それでは。

2020-02-03|
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