久しぶりに自家焙煎記録を取りました。今回はモカという品種をじっくり焙煎しました。元々モカとは、港の名前で、コーヒー発祥の地とされているそうです。そこから転じてイエメンやエチオピア産のコーヒーをモカと呼ぶようになったそうです(wikipedlia)。今回はそんなモカを研究してみます。
仕入れた豆はエチオピア産トラディショナル・モカ(g4・写真左)と、同じくエチオピア産のイルガチェフェ(g1・写真右)ウォッシュドです。まずトラディショナル・モカについて。購入源の説明をそのまま引用しますが、いわゆる一般的なモカだそうです。モカコーヒーと聴いて想像する味・・・とでもいえばいいのでしょうか、酸味と甘味に特徴があります。g4というのはグレードのことで、数字が若いほど高品質になります。つまり最上級はg1ということです。国によって基準が異なってきますが、欠点豆(カビが生えていたり形が悪かったり、未成熟豆だったり)の混入割合で決まります。g4は一般的なランクだそうです。一方でイルガチェフェはg1ランクであり、欠点豆がほとんどありません。当然値段にも直結します。欠点豆が無いということは、そこまでのプロセスで人なり機械なりによって欠点豆が弾かれているということです。コストも掛かるため、g1ランクの豆はg4ランクの豆よりも高価です。この二者間だけに限定して言えば、トラディショナル・モカ(g4)は160円/100gに対してイルガチェフェ(g1)は310円/100gであり、ほぼ2倍の値段になっています。それだけ手間や人員が割かれているということでしょう。焙煎するこちらも緊張してきます…。ちなみにイルガチェフェの最後についている”ウォッシュド”というのはコーヒー豆の精製方法の一つで、水でコーヒー豆を洗う方法です。一般的には天日干し(ナチュラル)が多いとされていますが、ウォッシュドはナチュラルと比べて豆の均一性が上がるという特徴があります。デメリットとしてはコストが掛かるということがあります。
本題に入ります。一体どれくらいの焙煎時間がいいのかということについて、時間を図りながら幾つかのサンプルを作りました。温度は240度で固定しています。以前は温度も変えながら焙煎していましたが、温度を固定していないと時間と温度の2つについて考察しなければならず、例えば低い温度と長い時間で焙煎したものと、高い温度と短い時間で焙煎したものの味がほぼ一緒だったりしてしまうことがありました。訳が分からなくなってしまったんですね。なので温度を固定することにしました。
コストの観点から、サンプルはg4のトラディショナル・モカで取りました。写真左から10分、11分、12分、13分です。モカは強い酸味と甘みが特徴の品種であり、従ってそれらが殺されてしまう深い焙煎は向いていません。しかし一方で浅く煎りすぎてしまうと豆の青臭さ(エグみ)が目立ってしまうので、青臭さをなくしつつ酸味と甘味を引き出す、ということが求められます。正直かなり難しいです。この点を意識して焙煎できるかどうかがポイントですが、このような理由で、モカは焙煎の腕がはっきりと出る品種とされています。焙煎時の室温は25.5度、湿度は63%でした。台風の影響で雨が降っているので10月にしては湿度は高めの環境です。結論から書くと、おそらく11分あたりがベターでした。10分だとエグみが目立ってきています。逆に12分はアウトでした。苦いだけ..で若干の酸味は感じられますが、モカの良さが消えてしまいました。しかしこの焙煎時間は季節や気温、更には天気にも影響されてしまうので、一概に年中を通じて11分の焙煎がよろしかろう、とは言えないのです。そこが面白いところでもあるのですが、焙煎中の豆の温度の上がり方・下がり方が季節や天候に影響されてしまうことが原因です。
上記の結果から11分でg1イルガチェフェを焙煎しました。写真左がg4モカで右側がg1モカです。こうしてみると両者の差がはっきりと見て取れます。左側(g4)は未成熟豆が混入しており、焙煎の色の程度が違うのが分かるでしょうか?一方で右側(g1)はそれがほとんどありません。しっかりとハンドピッキングされていることが分かります。均一に焙煎できる分だけ、雑味がなくなり美味しくなります。
実際に飲んでみると、g1のほうがモカ特有の酸味や甘味が強く感じられます。一方でg4でも味のばらつきはあるものの、モカの美味しさがあります。ただg1と比べて甘みが無いです。そのような意味でg4は中挽で苦味と酸味を中心に抽出し、g1は粗挽きで甘みと酸味を中心に抽出するといいかもしれません(※個人の感想です)。今回焙煎してみて、予想していたよりも両者の違いが顕著に感じられたので、もう少しモカについて焙煎の記録をとってみることにします。次は品種を増やして(モカ・クイーンやクジ)検討してみることにします。
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