辻村深月『凍りのくじら』 第二章以降 語句の意味まとめ

凍りのくじら (講談社文庫)

凍りのくじら (講談社文庫)

 

辻村深月「凍りのくじら」を読了。第二章以降のわからなかった語句の意味を書いておきます。本当は一章毎に記事を作成する予定だったのですが、個人的に難しい言葉があまり無かったものですから、一気に読み進めてしまいました。数字はページ数(文庫本)です。以下ネタバレです。

183 愚鈍(ぐどん)

[名・形動]判断力・理解力がにぶいこと。頭が悪くのろまなこと。また、そのさま。
「二等と三等との区別さえも弁 (わきま) えない―な心が腹立たしかった」〈芥川・蜜柑〉(goo辞書

198 窘める(たしなめる)

よくない点に対して注意を与える。いましめる。「不作法を―・める」(goo辞書

214 険を含んだ(けんをふくんだ)

 (「権」「慳」とも書く)顔つき・目つき・物言いなどに表れるきつい感じ。また、とげとげしさのあるさま。「―のある顔」(goo辞書

243 ヒロイズム

英雄的行為。また、それを賛美する心情。英雄主義。(goo辞書

247 物見遊山(ものみゆさん)

物見と遊山。見物して遊び歩くこと。(goo辞書

271 まどろむ

  少しの間うとうとする。「しばし―・む」(goo辞書

292  目敏く

見つけるのが早い。目が早い。「―・く見つけ出す」(goo辞書

320  上がりかまち

 玄関の三和土(たたき)の上がったところ。画像

352 身につまされる

他人の不幸などが、自分の境遇・立場と思い合わさって切実に感じられる。「―・れる苦労話」(goo辞書

476 双眸(そうぼう)

両方のひとみ。両眼。(goo辞書

辻村深月さんの作品は「本日は大安なり」を読んだ程度です。作品の構成の仕方は似ていますね(当り前か?)。プロローグとエピローグで一つにつながる、と。その間に回想が入るという構成です。

色々と書きたいことはあるのですが、ひとつだけ。

エピローグの最後のシーンで、芦沢真帆子が郁也 に対して、SFで呼ぶシーンがあります。少し・○○ということですが、その○○は何かについては明かされていません。読者それぞれに委ねる、というような終わり方になっています。

○○に入る言葉はどんなものか。僕は、「少し・不可欠」ではないかと思いました。主人公の芦沢真帆子は彼に対して少なからず好意を抱いているようですし、恋人?ではないのか分かりませんが、彼女の人生の中で重要な人物になっています。辻村深月さんの作品では、他の作品に他の小説の人物が登場してきますから、このような点は読み進めていけば分かってくるかもしれません。彼女がアクティング・エリアで大賞を受賞したのも、郁也がモデルを引き受けたからですし、そういった意味で、郁也は彼女に対して不可欠な人物であることは間違いないでしょう。

ドラえもんのひみつ道具がたくさん登場してくる点、それが章毎のタイトルになっている点、そしてそのタイトルを連想させるような文構成は、流石辻村深月さんといったところでしょうか。

タイトルの「凍りのくじら」は、父が撮影した写真や、別所あきらを通じて、父親が娘に対して抱いていた気持ちや、考えが伝わっていったのでしょうね。あくまで個人の感想ですが。

前回書いた人物相関図は書きません。書くほど複雑ではありませんでした。

次は『スロウハイツの神様』を読みます。

2017-09-09|
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