納骨

令和2年5月30日、父の納骨をしました。結局、新コロナウイルスの影響と、祖父が高齢であるという2つの理由から、親戚は呼ばずに、僕と母と弟の三人だけで納骨をしました。

まず本堂でお経をあげてもらい、それからお焼香をしました。

次に、新しく建てたお墓に移動して、開けて、父の遺骨を収納しました。お墓の中を初めて見たのですが、中は下の地面の土がむき出しになっており、そこに骨を乗せるようになっています。そうすると土の上においた遺骨が長い年月をかけて、土に帰っていくそうです。骨の状態や墓石の場所によって程度の差はあるものの、30年-50年、もっと長いと100年くらいの時間をかけて土に帰るということでした。なので、一つの区切りとして、三十三回忌や五十回忌があるとご住職様は言っていました。(諸説あります)

墓石の蓋を閉じたら、最後に、ご住職様と、石屋さんと、皆でお経をあげて、お墓に魂入れをしました。

墓を建てて学んだことがあります。それは思いの外、墓にはお金がかかる…ということです。ゼロからお墓を建てるということになると、まずお寺の檀家に入る「入檀料」、それから、墓石を建てる「場所代(永代供養料)」がかかります。さらには、墓石を建てる「墓石代」がかかります。それらを合計すると…….結構な金額になります。

また、今度は、実家がある千葉県のお墓について考えなかればなりません。今回、宮城県仙台市に父の墓を建てたのは、千葉に住んでいる祖父祖母が高齢であることを踏まえて、墓を移動しようという話があったからです。従って、まだ当分は先になりますが、そちらの墓の「魂抜き」や、お墓の解体、それからご先祖様の遺骨をこちらに持ってくる….というようなことをしなければなりません。墓石屋さんによれば、ひょっとしたら墓石を建てるよりも金額がかかるかもしれないということでした。というのは、お寺の檀家を抜ける「離檀料」や、お墓の魂を抜く「魂抜き」、それから、古い墓石を処分する「解体費用」がかかるからです。更には、墓石を建てている場所によっては、重機を持ってきてそれを解体する必要があるため、そうなると更に費用がかかるということでした。

最近では市や県が運営する共同墓地が浸透してきていますが、その理由がよくわかります。共同墓地であれば、全部の費用が込みで数十万円に抑えられるからです。今回のように、ある場所からある場所へお墓を移すということもありませんし、費用の面で圧倒的にメリットがあるといえます。また、最近では海に骨をまく「散骨(海洋葬)」など、お墓を持たないという新しい選択をする人も増えてきたといいます。時代が変わるにつれてお墓のあり方も変わってきているのでしょうか。

さて、ここ数年は心臓病について、死生観について、お墓についてなど、様々なことを考えたものでした。思いがけず遠回りをした数年間でしたが、この納骨で一区切りをつけて、僕や母、弟はそれぞれの日常に戻ることになります。あとは、一周忌や三回忌といった区切りで法要を行うだけになりますが、それらを除けば、これで父のイベントは一段落ついたと言っていいでしょう。

(ひょっとしたら、ご自身が、あるいは大切な方が同じ病気で、「拡張型心筋症」などの検索ワードで、たまたまこのブログに辿り着かれた方がいるかもしれません。そして残念ながら、父の「死亡」という結果を目の当たりにし、そのような方々に勇気や力をあげられなかったのならば、それはとても申し訳ないことです。ですが、医療は日進月歩で進化しています。IPS細胞で自分自身の心臓を作る事ができるという未来も、そう遠くないかもしれません。ですから、もしそのような方がいれば、気持ちを強く持って欲しい、というメッセージを送らせていただきます。昔聞いた話ですが、海外では3Dプリンターを使って、心筋細胞をインクに見立てて心臓を立体に印刷して作る、というようなプロジェクトもあるそうです。ですから気持ちを強く持って下さい。いつか必ず拡張型心筋症が治る日がくるでしょう。)

残念ながら父は亡くなってしまいましたが、この病気が完治できる未来が来ることを願って、僕と父と母と弟の、拡張型心筋症との闘病記を終わらせていただきます。

令和2年5月30日