我が家の洗濯機が壊れてしまった。
原因は漏水。どうやら、洗濯機内部の排水ホースに穴が空き、そこから水が漏れて電源部分に浸水、壊れてしまったらしい。最近、やたらブレーカーが落ちるということで、電気屋さんを呼んで調べた結果で判明した。
なぜ洗濯機が壊れたか。原因に心当たりがあった。それは遡ること2年前―――。
2018年のゴールデンウィーク頃、弟が洗濯機にゲロを吐いた。恐らくは、それが原因である。もちろん、ゲロを吐いたくらいで洗濯機は壊れないだろうが(吐く箇所にもよるかもしれない)、僕はその事実に耐えることができずに洗濯機を分解掃除した。ユーチューブで「洗濯機 分解」と調べて、いろいろな動画を見て、大体のやり方を頭に叩き込んだ。洗濯槽を取り外し、カビキラーを照射した。最後に元通り組み立てた後に、洗濯槽クリーナーを使って全てのゲロの成分を取り除いた。しかし、やはり素人が分解したためか、それから洗濯機を動かすたびに異音がするようになった。洗濯槽が回転しているときに、ガタガタガタと小さな音が聞こえるようになった。しかし、僕はそれを見て見ぬふりをした。ゲロを残したまま衣類を選択し続けるのと、分解してスッキリするのと、どちらがいいのか、僕はそれを常に言い聞かせて自分を納得させていた。異音がするくらいどうってことはない。衣類を、間接的にゲロまみれにするほうが嫌であった。しかし、それが良くなかったらしい。接触不良によって、洗濯槽と排水のホースが干渉、その結果、ホースに穴が空き、水が漏れて電気の部分に浸水したという結末だ。そのようなわけで、つまり洗濯機が壊れた原因は僕の「分解掃除」であった。
実は、去年も分解掃除によって一件やらかしている。それはエアコンである。自室のエアコンがカビ臭い、ということで自分で分解掃除を試みたのだが、案の定組み立てられなくなってしまい、業者を呼んで組み立ててもらうという結果になった。
そして、上述の通り、我が家の洗濯機がご臨終した。享年7年。我が家の全盛期を支えてくださった勇者様であった。僕はそれに敬意を払い、昨日、業者によって引き取られていくその最後の勇姿を見送った。
その勇者に変わり、新しく我が家に来てくれた洗濯機は、以前使っていたものの後継機モデルであった。家電の技術と言うものは日進月歩で、その後継機モデルには、洗濯物の量や、水の柔らかさ(硬水度)をその都度判別して、洗濯の時間を短くするか、長くするかといった判断をしてくれる「AI」なるものが搭載されているという。以前にはなかった機能だ。ご機嫌斜めだった母も、新機能を搭載した、新しい洗濯機の到着に心を踊らせている。
洗濯機が到着して、満面の笑みで母がこういった。
「じゃ、あんたの給付金、洗濯機に使わせてもらうから、そこんとこよろしく。」
そこんとこよろしく、である。こちらの承認は求めていなかった。今回、新型コロナ禍の対策でお国からもらえる給付金は、世帯主が申請して、世帯主が受給するというやり方になっている。つまり我が家の場合、世帯主は母であるから、母が「そこんとこよろしく」と言ったということは、僕に給付金が来ないということを意味していた。
このようなわけで、
僕が貰う筈の給付金10万円は、
綺麗に水に流されてしまった。(洗濯機だけに)
(泣)
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